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建築工学専攻 博士前期課程1年 大井 勇人 「大学生活を振り返って」

建築工学コース4年 近藤 愛莉 「自分のものさし」

注:本文章は、建築工学科目と社会基盤工学科目の合同OB・OG会組織「構築会」の会誌のための記事を転載したものです。

 建築学生として5年半,本大学・大学院で過ごし,学生生活も残り半年となりました。周囲の友人も含めて就職先も決まり,残すは集大成である修士論文のみ。今思えば長いようで本当に一瞬でした。学生生活を通して学んだことは大きく分けて2つあり,【何ごとにも挑戦し,とにかく経験すること】と【周囲の人の大切さ】です。
 1つ目の経験することの大切さとは,どんな小さいことでも良いから日々積み重ねていくことです。自身の成功体験につながり自己肯定感が向上し,人生で重要な幸福度を高めることができ,人生の充実度が変わります。また,これまで経験してきたことを新たな視点から見ることができるので,ふとした時に以前の自分では思いつかなかった行動や思考ができ,人生の幅が広がっていきます。
 また,2つ目の周囲の人の大切さに関しては,私の学生生活では,特にコロナ禍で1人暮らしであったことから,周囲の人との関わりが少なくなったことで人生の充実度が明らかに減少していることが分かりました。今では,コロナ禍など遠い昔のように感じてしまいますが,この時期があったことで,家族・友人・そして自分を支えている人々の大切さが身に染み,改めて彼らと過ごす時間を大切にしようと感じました。
 そして,今残り半年で修士論文を完成させなければなりませんが,上記の学生生活を通して学んだこと2つをもとに,ただ修士論文を完成させるだけでなく,残り半年でも専攻分野に関する理解を深め,より深い知識を獲得し,自分の納得できる修士論文を完成させようと考えています。しかし,これは自分1人で成し遂げることは不可能なため,わからない時は素直に教授にご教授いただき,研究室の友人とも切磋琢磨し,お互いに支え合いながら成し遂げようと考えています。
 自分の納得できる修士論文を完成させ,卒業までの期間や社会人になった後も,自分の経験を大事にし,周囲の人々との大切な時間を過ごしていきたいと考えています。
 

 「人には人の価値観がある」ということを耳にしても、そんな当たり前のことは分かっていると入学前の私は感じていたと思います。しかし、大学生活を通して言葉で理解することとは違う、実際他人の価値観で測られる怖さを受け入れる難しさを学びました。
 私は大学に入り、人の役に立ちたい、多くの人と関わりたいという思いからボランティアサークルを中心に多くのサークルに所属しました。もちろん始めは楽しく活動していましたが、そのうち建築工学の勉強が忙しくなり、勉学とボランティア活動の両立に苦しむようになりました。同じコースの友人が勉学の為に部活を辞めた姿を目にしたり、同じサークルの友人が勉学を優先したいと活動頻度を下げた後輩を非難する場面に遭遇したり、人それぞれの価値観に触れたことで更に両者の関わり方に悩んでいたように思います。「片方を優先すれば、もう片方を大事にしている人の目に私はどう映るんだろう」と考え、どちらも中途半端な関わり方をし、両方を頑張れない自分に失望するまでに至りました。それを見かねた先輩から、関わり方を決定しきれない要因は私が私自身を測るものさしを人の価値観に合わせていることにあると指摘され、はっとしました。
 当たり前だと、とっくに理解出来ていると思っていた「人それぞれの価値観」。それが私の中で確立できていないと気づかされてから、自分の中で本当に大事にしたいのは何かを考えたところ、建築工学の勉強もボランティア活動も多くの人の役に立ちたいという思いが由来であった事を思い出し、私は2つの活動のうち片方を優先するのではなく、「より人の役に立つこと」を優先すると心に決めることができました。
 私は今もボランティアサークルに属しながら、大学では免震フェイルセーフダンパーを研究しています。今関わらせていただいているこの研究は人の役に立つものだからこそ、自分がやりたかったことだと理解しているからこそ、自信と誇りをもって取り組むことができています。これからもこの自分だけのものさしを大切に、自分の活動に自信をもって生きていきたいと思います。
 最後までご愛読いただきありがとうございました。