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建築工学専攻 博士後期課程 2年 李 華 「近頃の等身大の阪大留学生」

建築工学専攻 博士前期課程 1年 匿名希望 「卒業旅行」

建築工学コース 4年 岩本 卓麻 「大学生活について」

建築工学コース 3年 來田 成弘 「おざなりなおざり」

建築工学コース 2年 中井 千尋 「3セメスターを振り返って」

注:本文章は、建築工学科目と社会基盤工学科目の合同OB・OG会組織「構築会」の会誌のための記事を転載したものです。

  初めて研究室に入った時、ある同じ留学生の先輩から「博士まで行こうと思うのはとてもいいですけど、だいぶ長くて、私費なので、生活などいろいろ大変ですよ」と声をかけてくれた。私は躊躇なく、「大丈夫 です。頑張ります」と答えた。
 あっという間に 5 年がすぎた。毎日、あのいつ故障してもおかしくないエレベーターをドキドキしながら使っている。工学部食堂が何か新しいメニューを出してくれると祈る。当時の先輩はもう誰もいなくなって、いつの間にか自分が研究室の一番先輩になった。振り返ると、確かにいろいろと大変だった。
 以前お盆休みのある日、日本人友達と昼間遊んだ後、居酒屋に飲みに行った。目の前に、ある留学生のアルバイトが汗だらけで、あちらこちらに走り回っていた。「休みもなく、あんなに頑張っていて、かわいそうだね」と友達が言った。「いやいや、留学生なら、大概こんな感じだよ」と、何年前の自分を思い出しながら、答えた。
 これは来日したばかりの頃。日本語学校の授業も、大学院の受験勉強もあって、さらに週 8 回のバイトをしていた。肉体労働にまだ慣れていないし、日本語も相当に下手なので、散々先輩に怒られた。でも生活のために、授業料と受験料のために、耐えに耐えることしかできなかった。外食どころか、スーパーで半額じゃない商品は殆ど買わなかった。大学院の受験が終わった日に、初めて松屋に入って焼肉定食を食べた。今のように友達と遊んだり飲んだりするのは想像すらできなかった。

 忙しくても、疲れても、いずれ回復することができるが、留学生にとって、一番大きなのは心理上の問題だと、私は思う。親や友達に離れ、異国の地で長い間一人で生活すると殆どの人が孤独を感じるだろう。言語や生活習慣などの問題によって、日本社会になかなか順応できず、また、親に心配かけたくないから、挫折や悩みがあっても殆ど伝えない。そんな状況が長く続くと、ストレスがたくさん溜まって、いったん何かあったら、大変なことになる。自殺した人とか精神的障害になった人などは極端な例だが、多くの人が日本での学業を諦め、帰国してしまった。幸い私は周りの方々に恵まれ、何とか無事にここまでやってきた。

 最近研究のために、たくさんの留学生と話し合うことができた。「留学生活はどう思いますか」と聞いたら、もちろんいい話もあるが、暗い話のほうがだいぶ多いようだ。初対面なのに 3 時間も話が止まらなかった人も、急に泣き出した人もいた。
 私は多くの人に対し、慰めでなく、励ましをした。「留学生活は大変だと最初から覚悟しなければなりません」とか、「若いうちに、夢のために、苦労しなさい」とか、「いろんな困難を乗り越えたら、きっと立派な人間なりますよ」などの話をしていた。殆どの人は「分かりました。ありがとうございます」と答えてくれたが、そう簡単に理解できるわけがないだろうと、自分の体験でそう思う。この文章を読んでくれる留学生の先輩方々もそう思うのであろう。
 「等身大の阪大生」というタイトルで書けと言われたが、勝手に「阪大留学生」に変えてしまった。エキゾチックとまでは言えないけど、ちょっと異色で、うけるかもとベタに思った。留学生について本気に書くなら、丸一冊を埋めてしまうので、文字数もボチボチ達そうというところだから、ここで終了したいと思う。

 この春から私は大学院に入学しました。大学院入学前、サークルの友人 5 人と卒業旅行としてエジプトに行ってきました。エジプト10日間の旅です。  エジプトに着いた早々向かった先は、「ピラミッド」。幼い頃から歴史漫画を見ては、「ほんまにあるのかい」と思っていたピラミッド。幼い頃から歴史漫画を見ては「石でそんな建築できるんかいな」と思ってたピラミッド。たしかに、エジプトにありました。

 初めて生で見るピラミッドはとにかくでかい!の一言でした。一つ一つの石も大きい。近づいたら一つの石が私よりも大きい!とにかく、スケールが違いました。  有名なクフ王のピラミッドに実際に入り、古代の人が歩いたであろう道を実際に自分も歩きました。そうピラミッドの中はきちんと空間がありました。もちろん道もあり、歩くことができます。一体、石だけであれだけの建築をどうやって古代の人は作り上げたんでしょう?謎は深まるばかりです。
 ピラミッドだけでなく、古代の宮殿も多く訪れました。古代の人の描いた壁画が多く残っており、中には、色が残っているキレイな壁画もありました。鮮やかな青色や茶色・黄色が確認できました。これらの壁画を見ながら、のんびりと古代の空気を感じつつ、エジプトでの時間を楽しみました。

 古代文明に触れるだけではなく、卒業旅行ならではの楽しさ?ハプニングもありました。遺跡のお土産屋のおじさんに捕まって逃げれなくなったり(結局走って逃げました)、友人がなぜかエジプトの若者と携帯番号の交換をしていたり(すぐに捨ててましたが)、皆で民族衣装を着てナイト川クルーズをしたり(その格好で踊りました)、エジプトの神様で異様に盛り上がったり。。。
 時にバカ騒ぎもしつつ楽しんだ旅行でしたが、あれから半年。改めて振り返ってみると、半年前なのに『あの頃はよかったなー楽しかったなぁ』なんて思いながら、深夜の研究室でこの文章を書き上げたのでした。

 来年入学予定の大学院入試を先日無事に終え、受験勉強から心機一転、九月から本格的に始まる四回生としての研究・実験へ向けこれから準備を進めていこうかという時期に差し掛かりました。今年は四月から慣れない研究室での生活がスタートしましたが、周りの仲の良い友達や愉快でユニークな先輩たちのお陰ですぐに馴染め、日々の勉強を楽しみながら進めることができています。
 今回寄稿させてもらえるということで、私なりに簡単ですが最近の大学生活について書かせてもらいます。
 二年次の分属以降、建築学科生として知識を深め、建築工学の中でも特に関心を持っていた構造システム学領域の研究室に入ることができました。研究・実験はこれから本格的にスタートする ( 楽しみでたまらない ) のですが、今まで学部時代に学んだことを実際に実験や解析に用いて、より専門的・実践的に取り組んでいくことに、嘱望すると同時に正直少し不安な気持ちもありますが、先生方や先輩方からできるだけ多くを学び、研究成果を早く出せるように、ハングリー精神で研究に没頭できたらと考えています。

 大学生になってから始めた事のひとつに、ヴァイオリンがあります。高校時代プロオーケストラの演奏に何度か足を運んだこともあり、オーケストラというものに以前から興味があったので、大学生になったら是非大学オケに入ろうと決めていました。私が属している大阪大学交響楽団は、楽器初心者も快く受け入れてくれる、熱心で楽しいオーケストラです。100 人を超える先輩後輩がいるので、いろんな友達ができ大家族のようなものですね。幸いにもピアノを弾いていたこともあり楽譜読みはできたのですが、楽器を1 から始めるということは予想していた以上に大変なことで、1・2回生の頃はほとんど毎日基本的な練習をしていました。しかし音楽が好きでヴァイオリンを愛する気持ちがあれば、辛い練習も苦ではなく、下手ではありますが2回生の夏から毎年 2 回の演奏会に出演できるまでになりました。回生を超えて皆で1つの音楽を作っていくこの学生オーケストラにとって、単にそれぞれが楽器を演奏するのではなく、全員が1つになり全力をあげて、音楽への情熱を客席に伝えることができれば、これ以上の成功はありません。他のサークル活動ではできないようなこの交響楽団での経験は、きっと将来の自分に何か役立つのではないかと思います。

 このヴァイオリンを始めなければ絶対にできなかったであろう経験もできました。昨年冬にユニバーサルスタジオジャパンでの夜の Christmas Show ステージで、偶然にもヴァイオリニストとして演奏するチャンスに恵まれ、夢のような経験ができたのです。USJのキャスト達だけでなく、同じ世代の音大生やプロオーケストラの人たちとも知り合えて、また新たな世界が広がりました。今年の冬にも依頼があり、また一つ思い出ができそうです。

 大学での生活というものは、自分の興味のある事についての知識を深められ、自分の時間を勉学に限らずさまざまな事に使うことで自分を磨くことができる、人生においても大切な時間だと思います。また、一緒に旅行したりお酒を交わしたり、いつも周りにいてくれる友達は僕の宝物であり、全国から同じ志を持った者が同じ大学に集まり、共に学びを深めたこの時間は、充実したかけがえのないものです。建築というモノつくりの世界においても、モノつくりが生きるのは、自分の分野に夢を持っている者が集まった時ではないかと思います。大学院卒業後、社会に出てからもこの前向きな姿勢のまま、それぞれの分野に飛び出していけるように、残りの学生生活を精一杯過ごしたいと思います。

 何を書こうかな?って、考えていると早くも締め切り期限から4週間が経ちました。構築会の編集者の先生方、ご迷惑をおかけして申し訳ございません。  僕のこれまでの大学生活について振り返っていこうと思います。

 大学受験まで訳もわからず、みんなと同じようにただ何も考えずに流れに任せて大学生になった僕。このままではダメだと思い、大学生活では自分でやりたいことを見つけて、それに没頭してやろうと決意しました。

 やりたいことが見つかったのは2年の後期。クラスの友達と意気投合して、スポーツサークルを作ることになりました。このとき、サークルに僕の大学生活のすべてのパワーを注ごうと決意しました。他大学に勧誘に行くと、恐ろしいほどうまく人が集まってすぐに20人規模のサークルが出来上がりました。サークルは順調にいき、この4月には、このサークルがこれからもずっと何年も続いて欲しいという願いから後輩を入れることになりました。後輩もたくさん入ってくれて40人を超すサークルになりました。その分、責任もどんどん重くなって、問題もたくさん出てくるけれども、そのたびにサークルのみんなと話し合いながら、さらにいいサークルになっていくのを感じています。
 サークルに没頭するあまり、勉学の方ひどいありさま。設計課題は「おざなり」にしてしまい、勉強は「なおざり」にしてしまっていました。そのため成績も着実に下がっていき、最近では「留年」という言葉もちらついてきました。まずいです。やばいです。でもこんなダメな僕なのに、いろいろな事に相談にのってくれる先生方に感謝しています。

 今自分の書いた文章を読み返してみると自分でも何が書きたかったのかわかりません。
とにかく伝えたかったのは
「僕は今、大学生活を思いっきり楽しんでいる!」
ということです。これからも、サークルに力を注ぎ、いっぱい遊んで、もうちょっとだけ勉強も頑張っていこうと思います。

  今日は八月十三日。「待ちに待った夏休み」が始まって一週間たち、私の体内時計はすっかり夏休みモードになっています。そろそろ原稿を書かないとと思い、パソコンに向かったのですが、思うように筆は進みません。でも、そんなこともしていられないので、まず3セメスターを振り返ってみようと思います。

 建築学科に配属されて、最初は今までの学校の授業と異なることに戸惑いつつ毎日を過ごしていました。でも気づくと自分が興味をもてることを、自然に見つけることができていて授業が楽しくなりました。私が始めて経験した試練は図面のコピーをする課題でした。大きなケント紙にひとつひとつ図面を書いていく作業は単純作業ではあるのになかなか進みませんでした。いつになったら終わるかわからない不安の中、時間だけが過ぎていく日々でした。結果として製図でなくなったゴールデンウィークを目にして、これが建築学科に入ることなのかと、わけのわからない納得をしていました。また、授業では、友達と協力して何かを作成することも多かったように思います。その中で意見がまとまらなかったりして苦労することもありましたが、友達から新しいことを学ぶことも多く、刺激を受けました。最後の方になると製図や模型の提出期限前になるたびに、製図室で徹夜するようになりました。製図室にみんながいるから頑張れるということを感じずにはいれませんでした。いろんなことがありましたが、気づけばクラスもとても居心地のよい場所になっていました。早く過ぎたようで、意外と内容の濃かった3セメスターはこのようにして過ぎ去りました。建築の勉強は辛かったり、苦労することもたくさんありますが、日々新しい発見があったり、感動したり、自分のライフスタイルを見つめなおすことができたりして、とても楽しいです。

 今、夏休みになって、いきなり学校という制約から解き放たれ、少し虚無感も感じます。夏休みは基本穏やかに過ごしています。バイトは週2で個人塾の教師をしています。一年以上続けているので生徒とも打ち解け、彼女たちを受験までうまくサポートしていけたらなと思っています。また中学校、高校時代の友達と久しぶりに再会しました。高校までの六年間ほとんど一緒に行動していた仲間ですが、今では法学部、商学部、薬学部、建築とみんなそれぞれ異なる分野の勉強をし、異なる生活を送っています。そのためか今の学校生活や昔の思い出など話題がつきることなく、楽しい時間を過ごせました。時間がある時は建築を見に行くこともあります。今日はヨドコウ迎賓館に行きました。芦屋川までは電車で15分。駅を歩くとすぐに迎賓館の上部が見えてとても興奮しました。建物は大谷石や銅版などで細部までこだわりがあり、ずっとその場にいたいと思わせる魅力を感じました。私もそういう魅力のある建物を作りたいと思いました。読書も心がけています。小説は何冊か読みました。建築関係の本も読みたいなと思い、J ・ジェイコブスの「アメリカ 大都市の死と生」を買いました。都市計画に少し興味があったのと、訳者が黒川紀章であることに惹かれました。まだ、開いてもいませんが、この夏休み頑張って読んでみようと思います。あとは、実家通いなのですが、家にいると小学校5年生の弟の夏休みの宿題を手伝わされて四苦八苦しています。今後の予定は20日に友達と福岡に行きます。初めての九州です。よく知らない場所ですが、今回は積極的に回って見ようと思います。夏休み、まだ始まったばかりですが、この夏休みが終わるころには何かひとつでも成長できたなと思えることがあるとうれしいです。