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建築工学専攻 博士後期課程1年 山本 翔也 「博士後期課程への進学」

建築工学コース4年 柳口 清香 「半年間を振り返って」

注:本文章は、建築工学科目と社会基盤工学科目の合同OB・OG会組織「構築会」の会誌のための記事を転載したものです。

 大阪大学の建築工学コースでは,修士課程から博士後期課程への進学者が毎年1~3人と,その進学率はとても低い状況です。その中でも建築・都市計画分野(3・5・7講座)の進学者となると,かなり数が限られてきます。そのような状況下で,建築・都市計画分野を専攻する私は博士後期課程へと進学しました。
 今回は私が博士後期課程への進学を決意した過程とその理由を,簡単ではありますが執筆させていただきます。

1.「休学」の選択肢
 B4の卒業論文/設計が人生史上最もハードな経験であったこともあり,修士課程では興味の赴くまま活動(研究・設計・実践)したいと考えていました。しかし,修士課程への進学と同時に就職活動の話が周囲から聞こえ始め,強い嫌悪感を抱きました。何のため進学したのだろうか。そこで当時の私は,1年間の「休学」を考えました。ですが,社会(就職)のことをもう少し知ってから考えた方がいいと先生に諭され,私は夏のインターンへの参加を決めました。

2.「就職」の選択肢
 インターンは,建設コンサルタントとゼネコンのものに各5日間参加しました。どちらも業界で最大手とされる企業で,忙しくもかなり充実感のあるものでした。しかしインターンを経た後,これら企業への「就職」は考えることができませんでした。それは,私の興味が集落や都市といった空間の“仕組み”を明らかにすることにある一方,企業ではこの“仕組み”のリサーチはほどほどに,計画や開発が求められているということに気付いたからです。国や研究所など他にも多様な「就職」の選択肢を考えましたが,どれも私の興味とは離れていました。

3.「博士」の選択肢
 以上より,「就職」という選択肢はもとより,「休学」という選択肢すらも,問題の先送りでしかないということに気が付きました。それじゃあ私はどのように生きていくのか。その時に,研究を行い続けるという「博士」の選択肢を始めて考えました。当時の助教が「博士」を後押ししてくださったのもあり,私はM1の11月に「博士」への進学を決意しました。

4.「博士」の選択肢をとった今
 博士後期課程に実際に進学した今だからこそ,正直いろいろな葛藤は生まれています。この道でよかったと思うときもあれば,逆もまた然り。しかし一旦は自らを奮い立たせながら,時折の喜びを糧に,研究に励み続けたいと思っております。
 最後までご愛読いただきありがとうございました。
 

 4回生になり,早くも半年が過ぎようとしています.今年の4月に研究室に配属され,私の大学生活はこれまでとは一変しました.私は4回生になってから講義を一つも履修していないため,ひたすら研究と,8月末にある大学院入試に没頭することになり新しい環境に慣れないうちは研究と院試勉強の両立に,ただただ苦しむ毎日でした.
 皆はもっと要領がいいから研究も勉強も私より進んでいるに違いない.難しい,逃げたい,もうやめたい.そう思い何度も知人に弱音を吐いたことを覚えています.ですが,私は研究室に配属されてから一つだけ,絶対に破ってはいけない「約束」を自分と交わしました.それは「院試勉強を言い訳に研究を疎かにしない」という約束です.もちろん逆も然りです.
 私は「免震フェイルセーフダンパーの新規開発」というテーマで研究を行っていますが,このテーマは今年から新しく始まった研究であるため,前年度や前々年度など過去の資料がなく,私にとっては大きな挑戦である感じています.このテーマを選択する時に,私は絶対に頑張ると心に誓いました.興味があるから思い切って選択したとはいえ,本当に自分のような人間が選んでよかったのかと不安に思うこともありましたが,先生方や先輩方が一から丁寧にご指導して下さったおかげで少しずつ研究にも慣れて,興味を持って楽しく研究できるようになりました.また,研究に限らず院試勉強に対する励ましの言葉もかけていただきました.
 このような先生方や先輩方の助けや励ましがあったからこそ,私は自分との「約束」を守り,最後まで頑張ることができたと思います.研究も,院試勉強も両方,誰よりも頑張ったと胸を張って言えます.
 先月,院試の合格発表も終えてひと段落し,ようやく研究だけに集中できる日々がやってきました.知識や経験がまだまだ不足しており,研究を進めていく上で苦労は絶えないとは思います.沢山の方にお世話になると思います.これからも努力や学ぶ姿勢を大切にし,コツコツと研究に励んでいきたいと思います.
 最後になりましたが,この度はこのような貴重な機会をいただきありがとうございました.