☆研究目的
多量の調理がなされている業務用厨房では、調理により発生する種々の汚染物を速やかに排気し、快適な厨房内空気・熱環境を維持することが必要とされている。そのための排気設計は過去にも多くなされてきたが、それらの多くは静穏場での検討である。しかし、実際の業務用厨房においては、上図に示すように、調理行為や調理人の歩行、空調設備による室内気流といったような外乱が存在する。調理器具より発生した汚染物は、調理器具の上部に設置したフードにより捕集され排気されるのだが、外乱が存在することによって、フードに捕集される汚染物の割合(捕集率)が低下することがあり、外乱がその低下に及ぼす影響についても、使用する熱源や調理器具の種類によって異なることが考えられる。
そこで本研究では、厨房内の外乱を定常な水平方向気流(横風)で代表させ、調理器具としてレンジとフライヤー、熱源として都市ガス燃焼方式(ガス)と電磁誘導方式(電磁)のそれぞれの条件で、排気量および横風風速をパラメータとして実験を行い、それぞれの条件での捕集率を求め、排気量および横風風速と捕周率との関係について検討し、得られた捕集率から厨房内の空気汚染物質濃度の試算について検討した。これまでに得られた成果をグラフにして以下に記す。
☆これまでの成果