about of labo3

私たちは、人間-環境系としての都市ならびに建築計画・設計について、社会文化的・生態学的・場所論・環境認知などの視点から、現代社会をフィールドとして総合的理論研究とそのフィードバックとそのフィードバックを行い、新たな計画・デザイン論の構築を試 みています。

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大阪府吹田市山田丘2-1 S1棟8階
811室

tel 06-6879-7642 fax 06-6879-7641

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■主な研究テーマ

①都市の場所と人の居方に関する研究

②建築家による空間デザイン手法研究

③千里ニュータウンでの実践・研究

④街角の居場所に関する研究

⑤高齢者・障がい児者・子どもの生活環境デザイン

⑥大阪市都心部の光景観資源

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■研究課題とその変遷■

1959年、本講座の前身である構築工学科第4講座における研究活動が始まって以来、本講座では、人間と建築・都市空間との関わりに基づく計画と設計に関する研究を行ってきている。足立孝教授が担当の時期には、主に人間と建築空間を研究対象とし、理論的研究を行ってきた。紙野桂人教授・舟橋國男教授担当の時期になると、研究対象は、都市的広がりをもつようになり、都市空間の把握とそれに基づく計画、都市・建築環境における行動と環境条件の理解等へと展開していった。

研究方法も、文献研究に基づく理論的研究から、実験的研究や実際の人々の活動や空間のあり方を現象としてとらえる調査研究へとかわってきている。都市空間情報という観点からの都市の空間構成と景観、行動と環境の理解に基づく計画・デザインを主要な研究分野としているが、現実の都市や建築空間における現象が複雑に多様化してきたことに伴い、実際の環境事象をより具体的にとらえていく方向へ向かう結果、研究対象が多様化してきている。

研究対象は多様化してきているが、人間と空間の関係をとらえていこうという基本姿勢は継承されている。人間性の基底的理解をめざす理論的研究から、実験・調査研究による都市・建築における現象の解明をめざした研究対象・方法の多様な展開を経て、舟橋教授担当のもと、環境行動デザイン論の立場にたち、理論と現象を総合化する考察を始めている。

1960年代は大阪大学の吹田地区統合移転に関連したキャンパス計画に関わる施設の利用実態や都市単身者の行動環境などに関する研究と、豊中庄内地区に関する一連の調査計画、行動と環境の主要な研究課題となる経路選択の研究が行われた。 

1970 年代は、理論的研究の主要な時期で、文献研究を中心とした建築論・景観論が主流となる。海外の先駆的理論・思想を研究することにより、その思想を独自の建築論・都市論として展開することを目的としていた。また都市化が急速に進行する中で、都市圏における居住環境・中高層住宅・高齢者住宅に関する研究、都市と農村、都市機能・事業所立地、都市空間構成など都市化の実態の理論的理解が進められた。その中で余暇時間の増大に伴う変化やこれに関連する各種集会施設に関する研究も行われた。70年代後半から80年代始めにかけて、これまでの研究をベースとしながら、経路選択については実験的アプローチが始まり、景観の調査・評価、都市の環境デザインへの関心など、方法論の転換の動きが見られる。

1980 年代前半は、担当教授が足立教授から紙野教授にかわったこともあり、理論的研究から調査研究的アプローチへと展開した。景観についてはスカイラインと河川景観を対象にした調査研究から、景観を視覚情報特性としてとらえるという新しい考え方を示し、また、地下街における環境条件と行動に関する研究が始まったが、これらは現在まで継続している。建築計画の分野では、施設実態調査にもとづく計画の検討とともに、行動と環境の研究につながるエントランスやサイン計画など、空間認知に基礎をおいた研究へと対象が広がる.

1980 年代後半から、都市空間における歩行者の環境が行動研究の対象となり、滞留・立ち止まり現象や歩行環境としての景観を研究対象とした。住宅分野ではコーポラティブ住宅といった新しい供給方式、都市研究の分野では24時間都市や都心部の市街地環境整備課題など、社会的動向を反映した研究が行われた。このような従来の研究の展開に加えて、都市空間形成における計画誘導に関する研究が、市街地景観の評価や総合設計制度・デザインガイドラインなど各種誘導手法の研究を通して始まった。

1990 年代にはいると、高齢者福祉がテーマとなるほかは、施設計画や住宅に関する研究が少なくなり、都市環境に関する研究が多様化する。都市空間の更新が急激に進む中で、これまでの研究の展開と併せて、文化財や歴史的環境の保全と市街地変容が研究対象となった。90年代後半は、都市の空間構造といった物的な側面を都市活動から読むことや、利用されることで空間化する広場やオープンスペースの研究、行動から都市環境を意味づける研究など、人の活動や行為とその場となる環境の関係において都市空間をとらえる方向へ展開している。景観研究においても、様相という概念を導入し、色の現れ方をとらえようとしている。つまり景観を構成する色の視覚情報においても人の認識レベルの現象としてとらえる視点を試行している。建築論においても、都市や生活環境の実態・現象に即して、建築論のテーマを見出し考える方向へ移行してきた。