論文作成の際に注意すること(雑記)


「電車の中で、思いつくままメモしたものです。もう少し例などを増やし充実させるつもりです。」

  • 論文は「第3者に読んでもらう文章」であり、「個人・グループのメモ」ではない。つねに「第3者」を意識して書くべし。
  • 論文は「序論」はじまり「結論」で終わる。各章も「序」にはじまり「結」で終わる。どちらがかけてもいけない。また、序論・結論だけ読んでも研究の概略がわかるように注意を払う。
  • 定義されていない言葉・記号は使ってはならない。必ず定義してから使う。
  • 自分で行ったことと、第3者の研究から勉強したことの区別をハッキリさせること。また、参考文献はまめに明示すること。先人の研究に対し「敬意」を払わなければならない。
  • 自分の使用している「単語」の定義をつねに意識するべし。世間一般で定義されているものと異なってはいないか? JISハンドブック・辞書などで言葉の定義を調べてみるのもよい。
  • 論文は「だ・ある」調で書くべし。「です・ます」調はだめ。
  • 論文は「現在形」で書くべし。「過去形」で書いていいのは基本的には「結」・「結論」のみ。著者にとっては実験・解析は過去の事になるが、読者にとっては読んでいる時が現在になる。論文の前の方に出てきた事に関しては「示した・表した」といった過去形で表してもよい。
  • 論文では二通りの読み方ができるような文章を書いてはならない。誰が読んでも意図したように読み取れるように書くべし。
  • 論文は、第3者が論文の内容を追試できるだけの情報を網羅しなければならない。
  • 同じ事を意味する単語・記号は、論文内ではひとつに統一する。「ブレーキダンパー」・「ブレーキ摩擦ダンパー」などを混在させてもいけない。必ず統一する。(=別のことを意味する単語・記号は、論文内では別の単語・記号を用いる。)
  • 日本語を書く場合も、英作文と同様な意識を持って書くべし。以下の4項目のように日本語でも文章の構成に注意が必要である。
  • 常に主語・述語の関係を意識して文章を書くこと。よく、主語と述語が一致していない場合がある。
  • 修飾語と被修飾語の関係を常に意識するべし。修飾語が他の被修飾語にかかっていないかチェックする。
  • 「すべて」という言葉には注意すること。本当に「すべて」かチェックする。
  • 「大きい・小さい」、「高い・低い」などの量を表す言葉に対しては、必ず比較の対象が必要となる。「・・・・と比較して・・・大きい」などであれば問題ないが、「・・・・・・大きい」では曖昧である。
  • 読みやすいフォーマットを心がけるべし。たとえば、図表が大半を占めるようなページにおいて、1行だけの文書を挿入するような事はだめ。
  • 適度なフォントの大きさを維持すること。標準は10ポイント、最低でも8ポイントまで。章タイトルは12ポイント。行間は18ポイントが標準。
  • 章・節のタイトルフォント・フォントの大きさ・行そろえ・タイトル以下の改行数など、論文内のフォーマットは統一すること(桑原ホームページの「メモ」を参照の事)。
  • 「平均」という言葉を使う場合、何をどのように平均しているのかを明らかにするべし。よく何の平均になっているのかわからない場合がある。
  • グラフに使用する「線・マーク」は極力少なくすること。あまり多くすると判読できなくなる。
  • 日本語の書き方については「本多勝一著:日本語の作文技術」がとても参考になる。是非一読されたい。
  • 句読点は「,.」を使う。「、。」は使わない。指針など技術系の文章では前者が、小説などでは後者が用いられている。
  • 「・・・・的」という言葉には注意が必要である。文章の内容が曖昧になる可能性がある。